
(by DiMAGE 7)
ついに長年愛用のコンパクトカメラも壊れてしまった。今年の始めに飲み屋のおねーさんを撮ったのが最期。フィルムを取り出す時意味不明のモーター作動を起こした。
それから電源スイッチが時々入らなくなり、レンズを35mmくらいまでズームするとシャッターが切れなくなった。フィルムカウンターの液晶表示も変な文字になるし、こうなるともう日常持ち歩くコンパクトカメラとしてはちょっと信用できない。電子基板あたりの寿命だろうか?新品で買ってもう14年くらいになるから仕方ないと言えば仕方ない。
このカメラ購入には曰くがあって、バブル経済の最中、突然バブル女が現れて、僕に「専属カメラマン」になれと言って来たのだ。「世界中を旅して写真集にして欲しい。」と頼まれた。
当時世間一般はアホなくらい浮かれていたので、こんな浮かれ女が出現してもおかしくはないのだが、おかしさついでに僕も半分楽しんでしばらく彼女に付き合うことにした。
その時「何か良いコンパクトカメラは無い?」と言うので、当時出たばかりのこのTvsを仕入れてあげた。(差別用語と言われる言い方だったが…)
当時「コンパクトカメラ」と言えば、黒いプラスチック多用の変なデザインばかりで適当なズームレンズ搭載機が主流だったので全く興味が無かったのだが、コンタックスがT2を販売してヒットさせて、その後ズームレンズ搭載のこのTvsを発売したので気にはなっていた。
デザインはひと目で好きになった。品格がある。(笑)「チタン合金」という如何にも凄そうな金属の名前もこのときは新鮮で、金属の反射の美しさにもムラっと来たものだ。ところが表面はすべすべで、金属剥き出しのままだと落とす危険性が大きい。それでグリップするところをゴムでカバーしてある。そういう実用性を考慮する姿勢も気に入った。
写りはズーム全域で特に不満は無い。56mm側でF値が6.5というのは暗いけど、コンパクトなのだから仕方ない。AFはT2では合わないことがある、ということらしいが、Tvsではその不満を感じたことは無い。AFが心配なときはマニュアルに切り替えられるし。広角28mmにして絞り8、ピント3mくらいに固定しておけば街中のスナッップでは快適だ。
ファインダーの倍率が低くて見にくいと不評だけど、慣れてしまえば構図にも専念できる良い作りだと思う。近接時のパララックス補正では液晶で画面を覆ってくれるのだが、それも便利だと思う。眼鏡使用の僕が言うのだから間違いない。ただ広角では…ちょっと我慢が必要。(笑)
AEに関してはポジ重視設定のようでアンダー気味になりやすいので、ネガでは露出補正で+0.3〜+1にしておけば大きな失敗はない。これも不安なら絞り優先AEでシャッタースピードを読んで調整すればOK。
などとバブル女に説明してあげた気がするが(笑)、結局彼女がこのカメラを使うことはなかった。彼女の行動の支離滅裂さに愛想が尽きた僕は絶縁を申し出たのだが、このときこのカメラがすでに気に入っていたので買い取った。定価は高級一眼レフカメラが買える17万円だったので、まさに「高級コンパクトカメラ」というネーミングがふさわしい。
この後各社がこぞって高級コンパクトカメラを出すのだが、今もなお僕はこの初代Tvsが一番好きだ。決してGR1のように胸ポケットには入らないけど…(苦笑)
さてどうしよう。。。人気のT3だけど、あれは僕はデザインが気に入らない。(でも写りは文句無し。)リコーGR1は28mmオンリーというのが広過ぎる。ニコンの35Tiは面白いけど、僕はニコンの生真面目さというのがどうも苦手。ミノルタのTC1も名機だと思うけど、うーん、変に凝り過ぎ?
結局初代Tvsが中古で今安くなっているので、また買ってしまおうか…と悩んでいるうちに、あまり話題にならない素晴らしいコンパクトカメラがあったことを発見!(次回に続く?)